こんにちは、じぃ~じです。
突然ですが、次の2つの文の意味の違いがわかりますか。
①He had two sons who became doctors.
②He had two sons, who became doctors.
高校で学習する関係代名詞の非制限用法。
関係代名詞には制限用法と非制限用法の2種類があり、働きと訳し方がそれぞれ違います。
その2つの違いに混乱していたり、きちんと理解していなかったりする英語学習者は多いのではないでしょうか。
今回は関係代名詞の制限用法と非制限用法の働き違いとそれぞれの訳し方をを解説します。
是非、理解を深めて下さい。
関係代名詞の働き
そもそも関係代名詞がどんな働きをするものかをしっかり理解しておきましょう。
関係代名詞の働きをかみ砕いて説明すると以下のようになります。
これだけではわかりにくいと思うので、少しずつ説明します。
まず名詞を修飾するというのは「どんな〇〇」という形を作ることです。
例えばboy「少年」という名詞を修飾していくと
少年 |
a boy |
名詞 |
背の高い少年 |
a tall boy |
前から修飾 |
公園で走っている少年 |
a boy running in the park |
後ろから修飾 |
私が昨日会った少年 |
a boy whom I met yesterday |
後ろから修飾 |
のようになります。
日本語では全て前から「どんな少年」というカタチになっています。
一方、英語ではその「どんな」の部分を1語で言えない時、後ろからくっつけるというルール(後置修飾)があります。
3番目の
a boy running in the park
の
running in the park
は分詞の形容詞的用法で大きなカタマリでboyを修飾しています。
4番目の文のように「私が昨日会った」という文を「少年」の後ろにくっつける時、関係代名詞を用いて
a boy whom I met yesterday
と表します。
英文の関係代名詞がどのようなカタチで登場し、どのような役割を持っているかを確認できましたでしょうか。
関係代名詞の種類
関係代名詞には先行詞の種類や格に応じて色々種類があります。
先行詞とは関係代名詞によって修飾される名詞のことです。
制限用法でも非制限用法でも両方使うものですので、まず確認しておきましょう。
先行詞 |
主格 |
目的格 |
所有格 |
人 |
who [that] |
whom [that] |
whose |
もの |
which [that] |
which [that] |
関係代名詞の見分け方はここではやりません。
また別の記事で説明したいと思います。
ただ、制限用法でも非制限用法でも、同じ種類の関係代名詞を使いますので、こちらは覚えておくようにしておきましょう。
制限用法と非制限用法とは
ここからは本題の制限用法と非制限用法の説明に入ります。
制限用法と非制限用法という2つの用法があるのはなぜか、その違いをしっかり理解していきましょう。
英文のカタチ
まず、英文のカタチですが
- 制限用法:カンマがついていない
- 非制限用法:関係詞の前がカンマで区切られている
制限用法の例文
I know a woman who speaks German very well.
(私はドイツ語をとても上手に話す女性を知っている)
Have you bought the book which I recommended?
(僕おススメした本を読んだ)
非制限用法の例文
I phoned my father, who was in Tokyo on business.
(昨日父に電話したのですが、今は仕事で東京にいます)
This book, which I bought yesterday, was really expensive.
(この本は、昨日買ったのですが、めっちゃ高かったです)
まずはカタチから理解しましょう。
関係詞の制限(限定)用法の働き
そもそも関係詞の制限用法と非制限用法には働きに次の違いがあります
制限用法:同じ種類のものがたくさんあるなかで、「SがVした〇〇」のように修飾したり、「どんな~」と説明することによって「限定している」。そのため「限定用法」とも言われる
非制限用法:1つのものしかなく、限定する必要がない。つまり修飾するというよりは後ろから説明を付け加えるような用法になる。「非限定用法」とも言われる
2つの用法の例文を見てみましょう。
説明が必要なものは制限用法(限定用法)
まずは制限用法(限定用法)からです。
The man is the photographer who used to live next door.
(その男性は以前隣に住んでいた写真家だ)
Japan is a country which doesn’t have a lot of natural resources.
(日本は天然資源の乏しい国だ)
上の文では「写真家」を「どんな写真家」なのか限定する必要があります。
下の文では「国」は数多くありますので、日本がどんな国なのかを説明する必要があります。
では、非制限用法(非限定用法)はどんな時に使われるのか、例文を見てみましょう。
固有名詞は非制限用法
一番わかりやすく、登場回数が多いのは先行詞が固有名詞の場合です。
I visited Kyoto, which was the capital of Japan for about 1000 years.
(先日京都に行きましたが、そこは1000年もの間日本の都でした)
This is Professor Koshiba, who was awarded the Nobel Prize in physics in 2002.
(こちらは小柴教授で、彼は2002年にノーベル物理学賞を受賞しました)
京都は日本に1つしかありませんし、小柴教授も1人しかいません。
「都だった京都」や「ノーベル賞を受賞した小柴教授」と言ってしまうと、「都ではなかった京都」や「ノーベル賞を受賞しなかった小柴教授」がいるみたいですよね。
【NG】 I visited Kyoto which was the capital of Japan for about 1000 years.
(約1000年の間、日本の都だった京都を訪れた)
→都でなかった京都が存在する?
1つしかないものは非制限用法
次は先行詞が1つしかないようなものの場合です。
1つしかありませんので、限定した修飾の必要がないわけです。
The earth, which moves around the sun, is called a planet.
(地球は太陽の周りを回転していて、惑星と呼ばれる)
My father, whom I met yesterday, lives in Osaka.
(お父さんは、昨日会ったのですが、大阪に住んでいます)
文脈上で特定できるものは非制限用法
特定のものを指しているということが文脈上判断できる時も、関係代名詞の非制限用法が使えます。
Last year, he published a novel, which sold very well
(去年、彼は本を出版し、それはとてもよく売れた)
☞彼が出版した本だということは明らかにわかる
He relies on his wife, who has never betrayed him.
(彼は奥さんに頼っている。彼女は一度も彼を裏切ったことがないからだ。)
☞奥さんを指していることが明らかにわかる
前の文の全体や一部を指すのは非制限用法
最後に、先行詞全体や前の文全体を指す場合を説明します。
こちらは会話などでは頻出度が高いかと思われます。
Ken broke up with his girlfriend, which surprised us.
(ケンは彼女と別れ、それは私たちを驚かせた)
☞「彼女と別れたこと」を指している
My brother tried to stop playing video games, which was hard for him.
(弟はテレビゲームをやめようとしたが、彼には大変だった)
☞弟にとって大変だったのは「ゲームをやめること」
この用法についてはもう少し幅広く種類があります。
しかし、細かい使い方を覚えようとすると嫌になってしまうと思います。
ふわっと全体的に指すと考えておいても差支えはありません。
訳し方
訳し方についてはこちらの記事をご覧ください。
紛らわしい2つの文の確認
ではここまで理解出来たら、次の2つの文の違いがわかるでしょうか
①He had two sons who became doctors.
②He had two sons, who became doctors.
①の文では
「彼には医者になった息子が2人いる」
となります。
この場合は息子は3人以上いて、そのうち医者になった2人の息子という意味になります。
一方、②の文は
「彼には2人の息子がいて、彼らは医者になった」
となり、息子は2人しかおらず、その両方が医者になったという意味になります。
まとめ
いかがでしたか。
関係代名詞の制限用法と非制限用法について基本から理解が深まりましたでしょうか。
ただカンマがある、ない、
訳し上げる、訳し下す
というシステムを理解するのではなく、働きや内容を理解することで、さらに英文解釈やスピーキングに活かせると思います。
是非、参考にしてみてください。