みなさんこんにちは、じぃ~じです。本日は英文法の記事です。
高校英語の中でも難しいとされるのが分詞構文。
何となくふわっとわかっているけど、根本的には理解していないという人は意外と多いのではないでしょうか。
分詞構文は読解や文法問題だけでなく、会話やスピーキングにもよく出てくる大事な単元です。
ところが、英文法偏重を避ける学習指導要領では分詞構文の作り方をきちんと教わる機会が減っています。
訳し方もさることながら、分詞構文の作り方を理解しておくと、分詞構文をより明確にわかるようになり、さらに英文の理解が深まります。
今回は分詞構文の作り方を解説します。
分詞構文を使う理由
そもそもなぜ分詞構文を使うのでしょうか。
答えは簡単です。
分詞構文を使うことで文を短くできるからです。
文を短くすることにより、回りくどい表現を避けたり、インパクトを残したりすることが出来ます。
次の2つの文を比べてみて下さい。
①この手紙は簡単な英語で書かれているので、この手紙は私にも読みやすい
②簡単な英語で書かれていて、私でも読みやすい
①は回りくどく、②はすっきりしていますね。
また次の2つの文を比べてみて下さい。
①大谷選手が満塁ホームランを打ちました
②大谷、満塁弾
②の方がインパクトがありますよ。
このように日本語でも省略したり、文字数を減らすことで回りくどさをなくし、インパクトを残すように、英語でも分詞構文を使うことで、同じような効果を発揮するのです。
また、分詞構文を使うことで、格式ばった英文とみなされることもあります。
そのため、書き言葉で用いられることがよくあります。
分詞構文を使う理由が分かったところで、今回の本題である分詞構文の作り方を解説したいと思います。
分詞構文の作り方(基本編)
分詞構文の作り方を理解すると、分詞構文への理解が深まり、英文を作ることが出来るだけでなく、文の意味がすっきり頭に入ってきます。
まずは、基本的な分詞構文の作り方をしっかり学んでいきましょう。
分詞構文の作り方の基本は次の4ステップです。
それでは1つずつ見ていきましょう。
STEP0:前後の文の主語が同じ
分詞構文の作り方の前にまず前提となる条件があります。
それは
前後の文の主語が同じ
ということです。
前提となる条件なのでSTEP0としました。
応用編になると前後の文の主語が違っても分詞構文で表現することはありますが、分詞構文の作り方の基本をまず知るということを考えると、分詞構文の前提条件となる
前後の文が主語が同じ
は知っておきましょう。
STEP1:前の文の主語を消す
では、ここからいよいよ分詞構文の作り方を説明します。
次の文を分詞構文にしていきましょう。
If you turn left at the next corner, you will see the post office.
(次の角を左に曲がると、郵便局が見えます)
今回の文は前の文の主語がyou、後ろの文の主語がyouで前後の文の主語が同じという分詞構文の前提条件を満たしています。
STEP1では
前の文の主語を消す
という作業を行います。
よって次のような文になります。
続いて分詞構文の作り方のSTEP2です。
STEP2 : 前の文の接続詞を消す
前後の文の主語が同じで前の文の主語を消した後、次にやることは
前の文の接続詞を消す
ということになります。
先ほどの例文だと次のようになります。
と、ここまでいったら次のSTEP3です。
余談ですがちなみに分詞構文によって省略される接続詞は
If(条件)
As, Since(理由)
が主ですが、理由を表す
Because
は省略されないと言われます。
Becauseは理由を表す接続詞の中でも「特に理由を述べたいときに使う」とされています。
AsやSinceは軽い理由を表すので省略可能ですが、理由の方がメインになるBecauseは省略不可能というわけです。
分詞構文の作り方とは特に関係ありませんが豆知識として紹介いたしました。
STEP3 : 前の文の動詞を-ing形にする
分詞構文の作り方(基本編)の最後は
前の文で残った動詞をing形にする
ことです。
先ほどの例文では次のようになります。
このように分詞構文を作った結果、元の文と分詞構文にした文は次のようになります。
元の文
If you turn left at the next corner, you will see the post office.
分詞構文の文
Turning left at the next corner, you will see the post office.
まずは分詞構文の作り方としてこの4つのSTEPをしっかり頭に入れ、何回も練習すると理解が深まるでしょう。
続きまして、分詞構文の作り方の応用編です。
分詞構文の作り方(応用編)
次に分詞構文の作り方の応用編です。
応用編ですが、基本的に入試や英検、TOEICではここまで知っておいた方が得点に結びつきます。
分詞構文の作り方をマスターして、分詞構文の理解を深めるためにもきちんと知っておいた方が良い内容です。
分詞構文の作り方の基本がしっかり身についていれば、すんなり頭に入ってくると思います。
分詞構文の作り方の応用編で紹介するのは次の4つです。
受動態の場合
まずは受動態の場合です。
次の例文を分詞構文に直していきたいと思います。
As this story is written in easy English, this story is popular with children.
簡単な英語で書かれているので、この話は子どもたちに人気がある
不自然ではありますが、便宜上this storyをあえて2回使っています。
基本的には分詞構文の作り方(基本編)に沿って進めていきます。
前後の文の主語は同じですので、主語を消します。
続いて、前の文の接続詞を消します。
続いて、前の文の動詞を-ing形にします。
今回、前の文にある動詞はisのbe動詞ですので、-ing形はBeingとなります。
分詞構文の作り方の基本だとここまでの作業になりますが、文頭にBeingが残る受動態の場合はもう1作業が必要です。
それは…
Beingを省略する
ということです。
Beingはbe動詞の-ing形です。
英文のカタチとして必要な時もありますが、意味の違いを与えることはなく、後ろのwrittenを見ることで前にbe動詞があることは判断できます。
したがって、受動態の文を分詞構文に直す場合は最後のSTEPとしてBeingを省略します。
結果として文頭には過去分詞形が残り、最初の文を分詞構文に書き換えると次のようになります。
元の文
As this story is written in easy English, this story is popular with children.
分詞構文の文
Written in easy English, this story is popular with children.
これまで丸暗記していて受動態の分詞構文もこのように分詞構文の作り方からしっかり理解すれば、丸暗記するよりずっと頭に入りますね。
続いて否定文の場合の分詞構文の作り方です。
否定文の場合
次は否定文の分詞構文の作り方の説明をします。
次の例文を用いて否定文の分詞構文の作り方を解説します。
As I didn’t know what to say, I kept silent.
何を言うべきかわからなかったので、黙っていた
かなり作り方のSTEPにも慣れてきたと思うので、
⓪前後の主語が一致している
①前の文の主語を消す
②接続詞を消す
ここまでのSTEPを次の状態から解説します。
主語を消して、接続詞を消した後は動詞を-ing形にします。
ここまでは同じですが否定文の分詞構文を作るためには最後の仕上げが必要です。
この文の場合は否定を表すdidn’tがありますので、文全体を否定文にする必要があります。
そして、否定文の分詞構文の作り方、最後の仕上げは
notの頭出し
と言われる文頭にNotを置くことで完了します。
最初の例文と分詞構文が完成した文を比べてみて下さい。
元の文
As I didn’t know what to say, I kept silent.
分詞構文の文
Not knowing what to say, I kept silent.
覚えるにしてもNotが前につくとだけでもOKなので、難しくはないと思います。
分詞構文の作り方と「notの頭出し」と言われるルールを理解した上で、覚えるとなお理解が深まるかと思います。
続きまして前後の文で時制がずれている場合です。
時制がずれている場合
いよいよ分詞構文の作り方(応用編)の時制がずれている場合です。
このあたりはかなり難しいので注意しておきましょう。
次の例文を用いて解説します。
As I had seen him before, I recognized him at once.
(以前に会ったことがあったので、彼をすぐに認識出来た)
主語が同じであることを確認し、前の文の主語と接続詞を消した後からです。
この場合は残った動詞の部分をhaving + 過去分詞にします。
今回の文の場合はhad seenをhaving seenにして分詞構文を作ります。
元の文
As I had seen him before, I recognized him at once.
分詞構文の文
Having seen him before, I recognized him at once.
では、この時制がずれている場合と否定文を組み合わせるとどうなるでしょうか。
次の文を用いて解説します。
As I hadn’t seen him before, I couldn’t recognized him.
(彼に会ったことがなかったので、彼のことを認識出来なかった)
こちらも同様に前後の主語が一致していることを確認し、主語と接続詞を消します。
そしてhad seenをhaving seenに直すところまでやったら、最後の仕上げは
notの頭出し
です。
このように、分詞構文は否定文と時制がずれている場合が混ざることもあるので、気をつけて下さい。
元の文
As I hadn’t seen him before, I recognized him.
分詞構文の文
Not having seen him before, I couldn’t recognized him.
続きまして、分詞構文の作り方(応用編)の最後の項目である前後の文で主語が違う分詞構文の作り方です。
主語が違う場合
分詞構文の作り方(応用編)、最後は主語が違う場合です。
この場合の主語が違うというのは今までの分詞構文の作り方のSTEP0で前提条件としていた
前後の文の主語が同じ
というものを覆すものです。
結論から言うと、これまでの
STEP1:前の文の主語を消す
をせず、主語を残したまま
STEP1:前の文の接続詞を消す
STEP2:動詞を-ing形にする
という手順を行います。
次の文を例にとって考えてみましょう。
As it was cold and windy, we decided to stay home.
(寒くて風が吹いていたので、私たちは家にいることに決めた)
次のようになります。
「受動態の場合」でbeingは省略すると書きましたが、前後の文の主語が違う場合はbeingは残したままになります。
なお、このように主語が残る分詞構文を独立分詞構文と言います。
元の文
As it was cold and rainy, we decided to stay home.
分詞構文の文
It being cold and rainy, we decided to stay home.
また、この前後の文の主語が違う場合と前後の文の時制がずれている場合の複合問題が次ような場合です。
As it rained a lot, the road is wet.
(雨がたくさん降ったので、道路が濡れている)
この場合、前の文のrainedと後ろの文のisの時制がずれているので、先ほどの「時制ずれている場合」のルールに従い、残った動詞の部分をhaving + 過去分詞にします。
元の文と分詞構文の文のカタチを比べてみて下さい。
元の文
As it rained a lot, the road is wet.
分詞構文の文
It having rained a lot, the road is wet.
まとめ
いかがでしたか。
今回は分詞構文の作り方の授業でした。
分詞構文は高校英文法の中でも理解が難しいですが、何となくふわっとわかるという人は多いと思います。
そんな分詞構文を作り方からしっかり理解することで、英文に対する理解がより深まることでしょう。
是非、参考にしてみて下さい。
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